第427話 フェニックスの正体は?
あのまま、助けが来なかったら、自分はどうなっていたのだろう?
考えるだけでも、ゾッとする。
ならばショーンも、同じような目に遭ったのだろうか?
急に不安になり、裕太はショーンをかえりみる。
「私は…大丈夫だ」
ショーンは静かに微笑んだ。
だが…ドクロは意味あり気に、ふふふと笑うと、
「フェニックスは、ショーンのクローンだ」
まるで裕太の疑問を答えるように、あっさりと告げる。
「えっ」
固まる裕太の反応を、楽しむ気配がする。
「そんなの!出来るわけが、ないじゃないかぁ」
いつの間にか、ジュンペイがカゴに手をかけて、ガシャガシャと揺する。
「おまえ…何をやっているんだ?」
ヒュン!
ドクロの目がまぶしく光り、レーザーのような光の矢が、ジュンペイ
目掛けて、発射される。
「あつっ!」
何するんだよぉ!
ジュンペイは思い切り、ドクロをにらんだ。
「勝手に、私のペットにさわるな!
捕まえるのに、大変なんだから」
ドクロの鋭い声がひびく。
ショーンの表情が、ピクリと動く。
「ペットだと?
彼は、私だ。
私は、彼なんだ」
今までに、見たことのないその剣幕に…
裕太もジュンペイも、ビクリとして言葉が出ない。
「可哀そうに…あんなに、おびえている。
フェニックスは、あなたのオモチャじゃない。
あなたのことを、恐れているんだ」
ショーンはそう言うと、すぅっと鳥かごの扉を開いた。
何のためらいもなく、中に入る。
うずくまるフェニックスを、助け起こそうと、彼の身体に触れる。
すると…ガシャンと、扉が閉じられる。
「おい!何をするんだ」
ジュンペイは、ガイコツに向かって叫ぶ。
「私に逆らう者は、ここから出すわけにはいかない」
そう言うと…ヒュン!と手から光の矢を放つ。
「うわわっ!」
あわてて飛びのくと、陰に隠れる。
「何するんだよぉ。危ないじゃないか」
大きな声で、わめくジュンペイに、裕太は
「あれ」
思わず声をもらした。
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