第420話 ガイコツの城?

「でも…ここは、サキアさんのお城でしょ?」

 なぁ、とジュンペイは裕太と目を見合わせる。

裕太は「やめとけ」と小声でささやく。

ここで挑発して、いいことなどないぞ、と直感的にそう思う。

「オジサン!子供だからって、いい加減なこと、言わないでよ」

だが裕太の心配をよそに、ジュンペイはまったく怖がることなく、

堂々とした態度で言い返す。

「おい、ジュンペイ!」

 バカだなぁ。

 何でこんなところで、いかにも危ないガイコツに、ケンカを売っているんだ?

裕太は生きた心地もなく…ハラハラしながら見守る。

正直…サキアさんが、ここの主であろうが、このガイコツがそうであろうが…

そんなことは、どうでもいい。

怖くなければ、それでいいんだ…

ヘンなところで、こだわるジュンペイのことを、やや厄介に感じる。


 ショーンは、ガイコツの言うことには、何一つ口を挟まない。

ただ黙って、こちらを向いている。

ハッハッハッ

ガイコツはまたも、カタカタと歯を鳴らす。

「キミたち…ずいぶん、ユニークな子供だねぇ」

そう言うと、ジュンペイの方に近付いて来る。

「だが…あの女に、だまされているかもしれない、と思わないか?」

哀れむ口調で、ドクロは言う。

「そう…なの?」

思わず裕太は、ショーンを振り向いて聞いた。

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