第419話 出たな、妖怪!

 ショーンのひと言は、効果てきめん!

「えっ?」

「うそっ!」

 たちまちジュンペイはあわてて、ショーンの側に逃げ戻る。

その様を、じぃっとドクロは見ている。

「まぁ、いい。

 よく来たな、ショーン。

 いや、太陽の君」

ドクロは細い腕の骨を、ショーンの方に差し伸べた。


「う、動いた!」

「出たな、妖怪!」

 ジュンペイはかまえのポーズを取る。

ははは…

カタカタと、ドクロの歯が音を立てて揺れる。

面白そうに、ゆらゆらと身体を揺すると…

「何を言っているんだ?

 私はこのトオの主だ」

ガイコツの出す声とは、とても思えない、張りのある朗々とした

声で、ジュンペイに向かって傲然と言い放つ。

大きな空洞の奥にある目が、赤い炎を灯したまま、こちらを

射抜くように見ている。

それを見て、裕太は何だかゾォっとして、思わずジュンペイの

背後に隠れる。

そのシャレコウベは、骨格だけの身体ながら、重たそうな鎧を

身に着けている。

そんな骨だけの身体で、本当に動けるのか?

そう思っているのだが…

意外にも、スタッとスムーズにジュンペイの目の前に、立ちふさがった。

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