第418話 やめろ、ジュンペイ!
「お、おい、何をしているんだ、ジュンペイ」
次第に大胆に、ジュンペイが台座に乗ろうとするので、さすがに
裕太は、ヒヤヒヤが止まらない。
(このガイコツ…変だぞ)
裕太は異変に気付く。
ポッカリと開いた、目のあたりの空洞に、ポッと赤い光が灯っている
ように見える。
すると…
「ようやく、来たか?待ちかねていたぞ」
すぐ近くで、低い声が聞こえる。
「へっ?」
裕太は思わず、ピョンと後ずさりをする。
「えっ?まさか!
このガイコツが…しゃべった?」
ひぃっと悲鳴を上げそうになるが…必死でこらえた。
だがジュンペイは、まったく動揺することなく
「まさか!そんなこと、あるわけがないだろ?」
止めるどころか、またも触ろうとするので…
「やめろ、ジュンペイ!」
たまりかねて、裕太が叫んだ。
すると…まるで機械仕掛けのロボットのように、ガイコツが鎧を
ガシャンガシャン音をたてて、ゆっくりと動き出す。
「すごい!よく出来ているなぁ~このロボット!」
それでもジュンペイは、このガイコツが実は生きている…とはまだ
信じていないようだ。
またも手を伸ばそうとする、ジュンペイに向かって、
「失敬な!」
鋭い声を出して、その手を振り払われる。
それは、当のガイコツだ。
「へぇ~すごい!よく出来ているなぁ!」
興味津々で、ジュンペイはさらにガイコツをのぞき込む。
「おい、止めろよ」
さすがの裕太も、今度ばかりは黙ってはおられず、彼の腕を引っ張る。
「えぇっ、いいじゃないかぁ」
まるで、新しく見つけたロボットのオモチャを、奪われまい…とする
ように、ジュンペイはガンとして引き下がろうとはしない。
「おまえ…気をつけないと、殺されるぞ」
二人の後ろで、ポソリとショーンがささやいた。
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