第413話 ついに…

「目だ!目を狙え!」

 裕太の声が響いた、その瞬間…

反射的にジュンペイは、目の前の岩を思い切り振り上げる。

「何をする、小僧!」

ガツン!と鈍い音がして、確かに何かが当たる手ごたえがした。

ジュンペイは、夢中で振り下ろし、再び振り上げると…

先ほどまで、死んだように網にからまっていたファルコンが、網を

食いちぎり、飛び出してきた。

《逃げて!》

ファルコンの声が、裕太の頭に響くと、ブワッと炎を口から吹き出した。

ギャー!!!

断末魔が、響き渡る。

逃げ遅れて、火だるまになった目玉の怪物が…ゴロゴロと転がりながら、

叫んでいる。

肉を焼くような、焦げ臭いにおいと、緑色の煙が辺り一面に広がる。

裕太たちは、鼻を押さえて、洞窟の奥へと逃げ込んだ。

一体何が起こったのか…子供たちには、実感として、まだ理解が出来ない。

まるでテレビかアニメを見ているような気がして、ボーッとしている。

するとその時、パァーン!

何かが割れるような音がして、すさまじい熱風と、真っ赤な炎が、

目の前をなめつくしていた。




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