第409話 敵の弱点を探せ!

「何でだよ?

 地図とかなら、いるかもしれないけど、こんなナンチャラ名言集

 みたいな本!」

 何の役に立つんだよ、と裕太の言葉に、ジュンペイはフン!と

不満そうに、ソッポを向く。

「キミには、その価値が、まだ理解出来ないようだな」

四ツ目の男は、二人の様子を見ると、ニヤリとする。

「まぁ、まだムリだろうなぁ」

唄うように、そう言う。

本を抱え込むジュンペイの手の中で、ヒラリと勝手にページが開く。

『敵の弱点を探れ』

いきなりフワッと、文字が浮かび上がってきた。


「あっ」

 裕太はそれに気が付くと、ジュンペイに向かって

「ちょっと」とジェスチャーで示す。

「なんだ?」

ようやくジュンペイも、その様子に気が付くと

「あれ」

本を指し示す。

「ほら、敵の弱点だって」とつぶやいた。

「敵の弱点?」

それは、何だろう?

一見、目玉が多い分、すきがなさそうに見える。

裕太はボンヤリとする。

「敵って、やっぱりあのオジサン?」

じぃっとジュンペイは、目玉のオヤジのことを注視する。

「目玉のオヤジの弱点かぁ~」

ふふっと笑う。

ヒュン!

まるで鋭い切っ先が、ジュンペイの頬をかすめるように、光の刃が

凄まじいスピードで飛んできた。

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