第407話 それは、魔法の書?

 ジュンペイがノートを開いたとたん、パァ~ッと中から

まぶしい光りを放った。

「えっ、何だ?」

それって、魔法なのか?

何だかすごいことに、なってきたぞ!

たちまち裕太の胸が、ドキドキと高鳴る。

 このノート、ゲームでよくある、冒険の書みたいなもの

なのか?

それにしても…何が書いてあるのだろう?

まるで光の中に吸い込まれるのではないか、と光を放つその

ページを、食い入るようにして見つめる。

「ひゃあ~」

ジュンペイも思わず、奇声を上げて、ノートを手にしたまま、

その場で固まる。

 まさか…本の中に引きずり込まれたりは、しないよな?

裕太は急に、心配になる。


 目玉のオヤジは、そのノートを取り返そうとすることなく、

じぃっと裕太たちの様子を見守る。

光が少し、和らいできたところで…

ようやく、真っ白な紙の表面に、文字が浮かび上がってきた。

「なに、なに?何が書いてあるの?」

裕太はジュンペイの手元を、のぞき込む。

ジュンペイは、浮かびあがってきた文字を目にすると、

「なんだ、これ」

すぐに、目を離す。

「いいから、そこに何が書いてあるの?」

せかすように、裕太が先をうながす。

「困った時には、深呼吸せよ。

 そこには必ず、何かがある」

しかたなしに、ジュンペイが声に出して読んだ。

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