第402話 オバサン、だれ?

「ほぅ~そうなのか」

 だがその女の人は、まったく態度を崩そうとはしない。

「なら…ここからは、出られないな」

残念だなぁ~と、その女の人は、大きな体を揺する。

「とにかく、それが条件だ。

 出来るだけ早く、答えを出してくれ」

腕組みをしながら、そう言うと…

裕太たちの反応を、じぃっと見ている。


「オバサンって、何者?」

「なんで、ショーンを?」

 ショーンにこだわる理由が、わからない。

なんで、こんなことをするのかも。

裕太もジュンペイも、まったく納得していないので、そう簡単には

『うん』と言うことは出来ない。

「何だと!」

オバサンの表情が、こわばる。

かなりおっかない形相で、二人をにらみつける。

「オバサン、怖いよ、コジワが!」

ジュンペイが、口をとがらせると、

「なに!」

大きな声を出したとたん、何かがパサリと落ちてきた。


「えっ」

「ウソッ」

 何気なく見上げた裕太たちの、目にしたものとは…

(まさか…顏?)

 ギョッとして、言葉を失う。

そんな固まる子供たちをよそに、ハラリ…と、まるでマスクが剥がれ

落ちるように、白いものが再び落ちて来る。

げっ!

丁度、母さんのするフェイスマスクが、剥がれ落ちるように、

顔全体が、バサッと剥がれ落ちたような状態だ。

(ハリウッドの特殊メイクか?)

まるでオバケに遭遇したかのように、裕太は目をそらして、後ずさり

をした。

それは、ギリシャ神話のメデューサのごとく、見てはならないもの、と

本能的に感じたのだ。

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