第399話 オバサン、だれ?

 いきなり現れたその人は、サキアさんとも、シェーラさんとも違う。

「やぁ~ようやく、来たか?」

弓を手にしたまま、にこやかに裕太たちを見る。

「オバサンは…何者?」

怖じ気付くことなく、裕太はその人に向かって、声を上げた。

「オバサンじゃない!」

やはり…気に入らないようだ。

(オバサンじゃなかったら、何て呼べばいいんだ?)

 この大柄な女の人に向かって、裕太は思いっ切り、アッカンベーを

した。


「ねぇ、ファルコンを下ろしてよ!

 ボクたち…何もしていないのに」

 可哀想なファルコン!

いきなり捕まって、身動き一つ出来ないまま、時折悲しそうに、

ウォーウォーと声を立てて、身体をくねらせている。

「ファルコンって、あの竜のことか?」

女はこともなげに、チラリと上を見上げる。

「あの竜じゃない!

 ファルコンだ!

 あいつは…ボクの友達だ!」

裕太が大きな声で、そう言うと

「そうだ、そうだ!」

檻をガシャンガシャンと揺さぶって、ジュンペイもわめいた。

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