第398話 やられた!

「えっ、どうして?」

「これは…ワナだ!」

 ジュンペイは、裕太に向かって叫ぶ。

「離れるんだ!」

裕太の手をつかんで、引っ張ったその瞬間!

ヒュン!

またも銀色の矢が、こちらに向かって飛んで来る。

《逃げろ!》

再びファルコンの声が、裕太の頭の中でこだまする。

「でも!」

「いいから、早く!」

まだ未練がましく、裕太がファルコンの周りを、ウロウロしていると…

どこかから、再び矢が飛んで来る。

「危ない!」

ジュンペイが、裕太に覆いかぶさり、あわてて身体を床につける。


 なんで、ボクたちを狙うんだ?

 目的は…やっぱり、ショーン?

そう思って、振り向く。

その視線の先に、大柄な女が少し離れた位置で立っていた。

だが…何かが変だ。

裕太は、違和感を覚える。

(あれ?)

よく見ると…その女は湯婆婆みたいに、頭がやたらとデカイ。

「だれ?」

その女は、矢をつがえたまま、

「遅かったな」

裕太たちを見て、デカイ口をにぃっと横に引いた。

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