第397話 不思議な石像

 すると…まるでその石像に、命が吹き込まれたように、紅い目が

ギョロリと、こちらを向いているような気がする。

「えっ、なんだ?」

まるでヘビににらまれたカエルの状態で、裕太はその場に固まる。

だが、いきなり…ガシャン!と何かが落っこちるような音がした。

「えっ?」

確かめる間もなく、天井から鉄の柵のようなものが、落ちて来た。


「なんだ?」

「ウソッ!閉じ込められた?」

一瞬の出来事で、何が起きたのか、すぐにはわからない。

逃げるすきもなかった。

 裕太にとっては、捕まるのがこれで二回目だ。

一瞬ドキリとしたけれど、

「これは、ワナだ!」

すぐに頭を切り替える。

「ファルコンは?」

そうだ、ファルコンはどうなったのだろう?

裕太は、柵の中から、キョロキョロと見回す。

何気なく頭上を見上げると、大きな網にからめとられるようにして、

ファルコンが身動きできない状態で、ぶら下がっていた。

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