第394話 進め、ファルコン!

 今の所、ファルコンは何も言わない。

けれども、ひたすら直進しているので、おそらく目的地に向かって

いるのだろうと思われた。


「だって、ほら!

 景色が変わったよ!」

 ジュンペイが、声を張り上げる。

「どこが?」

「全体的に!」

そう言われれば…今まで続いていた石の回廊に、今度は石の彫像が、

ズラリと並んでいる。

それは、かなり緻密に彫られていて、これが映画とかマンガだった

ならば、すぐにも動き出しそうに見える。

(ホントに、生きているみたい…

 でも、ちょっとおっかないなぁ…)

裕太は首をすくめる。

 ジュンペイは、そんな気配に気づいたのか、

「もしかして、怖いのか?」

ガハハ…と笑う。

「何か、スゴクないか?

 だって、神話に出てきそうだろ?」

ナイトとか?

神話の神様とか?

ツタンカーメンの呪いだとか?

やけに得意そうに、ジュンペイが並べ立てる。

「ふぅーん、そうなのかなぁ?」

それを抜きにしても、ここって、どういう場所なのか?

裕太は不思議に思い、頭をかしげた。

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