第393話 大丈夫か?

 長い通路を抜けて行くと…

ようやくファルコンのスピードが、緩やかになる。

ショーンがどうなったのかが、裕太は気になったのだけれど…

何も物音が聞こえてこないので、それをうかがい知ることは

出来なかった。

 背後ばかり、裕太が気にしていると

「大丈夫だよ、ショーンは!

 言っただろ?

 そのうち、後を追いかけて来るさ」

ジュンペイはのどかな声で言う。

「そういうものなのかなぁ」

裕太は浮かない顏をする。


 スルスルとファルコンは、静かに前を進む。

このところ、目立ったものは目につかない。

まるで石の回廊のようなものが、次第に見えてきた。

「本当に…あっているのかなぁ?」

とりたてて何も目に入ってこないので、裕太はかえって心配に

なってくる。

「たぶん、あっているんじゃあないの?」

まったく疑問には思わないように、ジュンペイはのん気な声で

言う。

基本的にジュンペイは、あまり細かいことは気にしないのだ。

ファルコンに身をまかせ、ただただこの状況を、楽しんで

いるようだ。

「そうなのかなぁ?」

裕太は何だか、ジュンペイのそのざっくばらんな性格を、

羨ましいと思うのだった。

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