第390話 何で、あなたが?

「久しぶりだな!」

 いきなり現れた男は、さらに裕太に近付いて来る。

「気をつけろ!」

すぐさまショーンは、裕太たちを自分の背後に隠した。

「なんだ、やっぱり…お前たちか」

やけに特徴のある、甲高い声が響く。

姿形は、様変わりしているけれど…

だが、声はごまかせない。

まぎれもなく、あの男の声だ。

「そんな、まさか」

「何でだ?」

「ドクターバード?」

裕太とジュンペイは、口々につぶやく。

「ほぉ~案外キミたちは、バカではないようだな」

口元をゆがめて、ニヒルな笑みを浮かべた。


「キミたち…この男のことを、知っているのか?」

 かばうようにして、二人の前に立ったショーンは、驚いた

顏をする。

「あぁ、バードマンか。

 ここまでの案内、ご苦労だったな」

男はショーンには用がない、という顔をして、目をキュッと

細める。

そうして、無言で弓をかまえる。

「あっ」

裕太はあわてて、ショーンの後ろから飛び出すと、

「オジサン!何でそんなことをするの?

 ショーンは何も、悪いことなんて、していないのに!」

我慢出来ない、とばかりに、大きな声で叫ぶ。

裕太が飛び出した、その瞬間!

ファルコンがいきなり大きな口を開けて、男に向かって

飛び掛かった。

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