第386話 なんだ、これは?

「え~ここ?」

 裕太はハラハラと見守っている。

「はいはい」

何にも見当たらないけどなぁ~

ブツブツ言いながら、ジュンペイは言われた通り、岩のくぼんだ所を

懐中電灯で当てる。

 するとショーンが、右手を差し出すと、鍵のようなものをあてる。

その瞬間、その岩がパァ~ッと光を帯びて、徐々に形を変えていく。

「え~、なに?魔法?」

ジュンペイが、素っ頓狂な声を上げる。

「しぃ~!」

裕太はあわてて、その口を手でふさぐ。

(誰かに聞かれたら、どうするんだ?)


 ショーンは黙ったまま、その鍵をクルリと返すと、まるで溶けたガラス

のように、グニャリと岩が凹み、大きな穴が出現した。

「なんだよ、それ!」

思わず裕太も声をもらす。

「何だ、それ!すげぇ~」

ねぇ、どうやったの?

ジュンペイが、手足をバタバタとさせる。

 ショーンはクルリと振り向くと、

「いいか、くれぐれも慎重に行動してくれ。

 どこに危険がひそんでいるのか、わからないからな!」

ポカンとしている裕太。

目を輝かせるジュンペイに向かって、視線を向けると、ショーンはやや

険しい顔をした。

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