第385話 目的地は…

 奥に近付くにつれ、段々と薄暗くなってくる。

なんだろう?

これって…不思議な感じだ。

裕太はゴクリと唾を飲み込む。

両手が、ビッシリと汗で湿っている。

 ショーンの背中が、緊張でピリピリしているのがわかる。

ただジュンペイだけは、飛び跳ねるようにして、その後を追いかける。

 次第に通路が狭くなり、いつの間にか周りが暗くなってきた。


「あそこが…入り口だ!」

後ろを振り向くと、ショーンが前方を指差す。

(どうして、わかるのだろう?)

目を向けると、何の変哲もない大きな岩が、そこには立ちはだかって

いる。

「えっ、それって、ただの行き止まりでしょ?」

ジュンペイがバカにしたように

「子供を、だまさないでくれる?」と言う。

「そう思うか?」

ニヤッと、ショーンが余裕の表情で笑う。

「ちょっと、ライトをあててくれ」

すぐ脇を歩いているジュンペイに、ショーンは声をかける。

「えっ?どこに?」

ジュンペイがふざけて、懐中電灯を振りまわす。

「ここだ」

ショーンは、岩のクボミを指差した。

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