第384話 さぁ、お次は?

「何があるのか、わからないから…

 出来るだけ、固まっていこう」

 ショーンが後ろを振り返る。

「うん」

「わかった」

裕太とジュンペイは、いつになく神妙な顔でうなづく。


 ここは、さっきまでいた場所とは、まるで違う…

例えていうなら、真っ暗な洞窟の中を、ガイドなしに歩いている

感じだ。

(本当に、この中に…ショーンの仲間がいるの?)

サキアさんのことを、疑うつもりはないけれど…

本当なのだろうか?

 一番前に、ショーン。

 二番目に、ジュンペイ、そして裕太。

 一番後ろに、ファルコンが続く。

二人が子供たちを、ガードしているという形だ。

「いいか?もしも、何かあったら…

 迷わず、ファルコンの背に乗って、逃げるんだ!

 私のことは、かまわなくてもいいからな!」

 奥の入り口に入る前に…ショーンは裕太たちに向かって、そう告げる。

「いいけど…ショーンは、大丈夫なの?」

仲間を見捨てることなど、出来ないよぉ~

裕太はそう思う。

「大丈夫だ。私も飛ぶことが出来るし…とにかく、君たちの安全確保が

 優先だ!」

何としてでも、キミたちを…

無事に帰さないと、いけないからな!

いつになく真剣な表情で、ショーンがそう言う。

「わかった」

裕太とジュンペイは、短く答える。

「よし、いよいよ、本丸へ向かうぞ」

力強く、ショーンが宣言した。

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