第380話 快適な空の旅?

 ファルコンの背中の乗り心地は、快適か、というと…

案外そうでもない。

何しろ、身体全体が固いウロコに覆われていて、ゴツゴツしている。

なので、ちょっとした衝撃も、ダイレクトに裕太たちのお尻に

直撃するのだ。

(でもまぁ~こんな乗り物は、めったにないから…

 けっこう楽しいんだけどね!)

お尻が痛くなければ、サイコー!

そう考える裕太だ。


「しっかり捕まれ!」

 声を張り上げると、裕太はぐっとファルコンにつかまる。

グィーンと直角に、急上昇すると…

ブワッと一気に、大きな張り出し窓のような所に、飛び込んだ。

「ひゃあ!」

 ビュン!

勢いよく中に飛び込むと、大きな岩に囲まれた、鐘楼のような所に

たどり着いた。

ひぇっ?

まるで、カエルを踏んづけたような、裏返った声が出た。

「何だよ、おまえ~」

ジュンペイが、ケラケラと笑う。

「だって~」

ジュンペイに笑われて、裕太は顔を赤くする。

「やぁ、来たか」

すぐ目の前に、ショーンが立っていた。

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