第375話 ファルコンの本気
ものすごいスピードで、ファルコンはトオの外壁を上って行く。
裕太の前につかまっているジュンペイも、髪がツンツンに逆立って
いて、それがマンガのキャラクターに似ていて、思わず笑いそうに
なってしまう。
「違うよぉ~
落っこちないように、つかまっているだけだよぉ」
照れ隠しに、そう言うと、さり気なく、裕太に手を貸す。
ファルコンは、何も言わない。
元々竜なのだから、しゃべるワケがないのだが…
人間の言葉は、キチンと理解しているようだ。
さらに裕太には、ファルコンが笑っているように感じる。
なんでだろう?
不思議だなぁ~
やっぱりファルコンって、ボクたちの話していることも、わかって
いるんだ。
ショーンの姿が、ドンドン遠ざかって行く。
(ボクたちも、早く行かなくちゃ)
裕太は急に、置いてきぼりになりそうな気がして、キュッと
ファルコンのウロコにつかまる。
ブワッと風に逆らうようにして、ファルコンはさらに加速していく。
「うまくいくのかなぁ?」
うかがうようにして、裕太が聞く。
「さぁ、それはどうかなぁ」
あまり興味がなさそうに、ジュンペイは生返事を返した。
まるで巨大な要塞を、よじ登っているようだ。
一体、どこまで続いているのだろう?
裕太はファルコンの背に、身体をグッと押し付けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます