第374話 お調子者のジュンペイくん!

「よぉし、それなら…外から攻めるかぁ」

ひとり言をつぶやくと、

「キミたちも、ファルコンに乗れ!」

ショーンは再び、翼を大きく広げる。

ファルコンが宙に身体を躍らせると、ブワッと風がおきる。

「ひゃあ~、サイコー!気持ちがいいなぁ!」

楽チン楽チン!

ジュンペイはまるで、どこかの遊園地の乗り物に乗るような雰囲気で、

歓声を上げる。

 無邪気に騒ぐジュンペイを見て、

(わかってないなぁ~)

やれやれ、と裕太は心の中でつぶやく。

 さっきまで、鳥かごから出してくれ…と、騒いでいた張本人が、

もうそんなことは忘れた、とばかりに、ケロッとした顔をしている。

 ホント、ムシがいいなぁ~

のほほんとしたジュンペイを見ると、裕太は呆れる。

 だけど…

裕太は気が付く。

ジュンペイと一緒にいると、楽しい…ということに。


 こんな訳のわからない世界にいるというのに、ちっとも不安では

ないのだ。

むしろ楽しんでいる、自分がいる。

それはおそらく、ジュンペイがいるからだ…

そう思い、ギュッとジュンペイの身体にしがみつく。

「えっ?なんだよ、怖いのか?」

ヘヘッと笑うと、裕太をからかうように、後ろを振り返る。

「何言ってるんだよ!」

バカなことを言うなよ、と裕太はフン!とそっぽを向いた。

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