第368話 なに、なに、魔法?

「なに?何なの?」

 裕太は驚いて、ショーンの陰に隠れる。

ううっ!とうめきながら、まるでCGのように、シェーラの身体が

目の前で変化する。

「えっ?」

すると、徐々に…白い毛皮をまとった、純白の犬に変化していく。

(えっ、シェーラさんって…こんな犬だったの?)

サキアさんには、もっとも似合わない、高級そうな犬だなぁ~

思わず裕太がクスリと笑うと

「聞こえてるぞ」

ムッツリとした顔で、サキアさんがボソリと言う。

ワンワンワン!

シェーラが裕太に向かって、歯をむき出して吠える。

「ほら!あの子も、怒っているぞ」

淡々とサキアさんが言うと…

白い固まりが、サキアさん目掛けて、飛び掛かって来る。

「うるさいな」

面倒臭そうに言うと、サキアさんはひょいっと身をかわす。

さらに、パッと何かを放った。


「ショーン、これを!」

 ヒュン!

細い銀色のチェーンが、シュルルルル…とトグロを巻いて、

シェーラの首元と、ショーンの手首に巻き付く。

グン!とショーンがそれを引く。

シェーラはあきらめたように、おとなしくなった。

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