第367話 裏切ったな!

 ショーンが投げた円盤のようなものは、ドーナッツ状に姿を変え、

さらにグィーンと伸びると…

スポン!とシェーラの首にはまった。

「あっ!」

シェーラが気付いて、首に手をやった時には、すでに遅く…

その輪っかが、自動的にキュッとしまっていく。

パッと見は、チョーカーなのだが、自動識別装置(GPS搭載)のついた、

首輪のようなものだった。


「うっ」

 だまされた!

シェーラはくやし気に、首輪を引きちぎろうと、手をかける。

「残念だな!

 それは…飼い主にしか、外せない特注のものなんだ」

冷ややかなサキアさんの声が響く。

「おまえ…裏切ったな!」

絶叫にも近い声で、シェーラが叫ぶ。

「裏切る?誰を?」

サキアさんは、澄ました顔をする。

「ひどい言いがかりだなぁ~

 飼い主は、ワタシなんだぞ」

サキアさんが、肩をすくめた。

「悪いが、決まりなんでね」

そう言うと、ぽちっと首輪の赤いボタンに、手を触れる。

すると、シューッと何かエアーの音がしてきて、シェーラがもがき

始める。

「何をした!」

ウーウーとうなりながら、シェーラの身体が、次第に縮み始めた。

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