第365話 助けて、ショーン!
「えっ?太陽の君?」
何のこと?
ポカンとして、裕太はショーンを見る。
だがショーンは、険しい表情のままだ。
「おい!太陽の君だか、王様だか知らないけど…
どうでもいいから、早くここから出してよぉ」
ガタガタと柵を揺らして、ジュンペイがわめく。
だが裕太は異変に気付き
「ジュンペイ、止めろ!」
あわてて絶叫に近い声で叫んだ。
ギギギギギギ…
嫌な金属音をたてて、鳥かごが不安定にきしむ。
「おやおや、ホント、バカだなぁ」
シェーラは、冷ややかな目で、ジュンペイを見る。
「そんなことをして…
私が手を下さなくても、鳥かごもろとも、がけ下に
真っ逆さまだ!」
嬉しそうに、フフフと笑う。
チッ!
なんてことだ!
裕太は舌打ちをして、にらみつける。
「おや、そんなことをしても…キミの友達は助けられないぞ」
そう言っている間にも、鳥かごがかなりギリギリの所まで、
傾いてきている。
「そうだよ!ここは、おとなしくするんだ」
くやしいけれど、ここは認めるしかない。
裕太の声を聞いて、ジュンペイはその手を止めた。
「私は、太陽の君ではない。ショーンだ」
いつの間にか、傍らにいたショーンが、バサッと崖に舞い降りると、
鳥かごをグィッと押し上げる。
ギギギ…
ほとんどはみ出している状態だったのだが、何とか岩棚の上に
ギリギリ乗った。
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