第333話 今度はなんだ?

「ごめん、ごめん」

 裕太は、ふくれっ面のジュンペイに声をかける。

「あっ、あれはなんだ?」

ジュンペイは、先ほどの穴を指を差す。

なんだ?

けげんな顔をして、裕太が振り返ると

「あっ!」

思わず、目を疑う。


 ポッカリとあいた穴から、今度は何かがせり上がってきている。

「えぇ~っ!」

ゴゴゴゴゴゴ…

凄まじい地響きを縦て、ゆっくりと何かが、下から持ち上がって

きているのだ。

「えっ?なんだ?どうなっているんだ?」

そんなことを聞かれても、裕太にわかるはずもなく…

(何だか、すごい装置だなぁ)

しばし口をポカンと開けて、その様に圧倒されていた。

(まるで映画のセットのようだ…)

裕太は我を忘れて、ただただ見とれている。

 その間も、石造りの大きな柱が、ニョキニョキと、まるで生きて

いるかのように、ぐんぐん突き出てくるのが見えた。

「え~っ、なんだ?すごいなぁ」

だが裕太は、ありきたりの言葉しか、出て来ない。

「ね、魔法?」

ジュンペイも、目を輝かせて見ている。

「ンなわけ、ないだろ?

 だって、ボタンを押したんだから~」

さすがに2人とも、呆然として、ただ見ているしか出来ない。

何もしないで見ていても…

次第にその全貌が見えてきた。

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