第322話 次のステージは?

 豆の木が倒れても、屋敷は崩れることはなかった。

もちろん、自分たちも無事だ。

よかった、と裕太はホッと胸を撫でおろす。

足元を見ると、緑色の樹液が、地面に流れ込むのが見える。


「ね、あれって…何だろうね?」

 その割りには、あまり興味がなさそうなジュンペイだ。

「さぁ?」

先ほどの騒ぎで、裕太はまだ呆然としている。

カラーン

カラーン

カラーン

突然、鐘の音が鳴り響く。

「鐘?」

「何だ?学校か?」

笑いながら、ジュンペイがキョロキョロとする。

「おい、ちょっと」

裕太を突っつく。

「なに?」

「あれだよ、あれ!」

 ジュンペイの向いている方を、目で追うと…

いつの間にか目の前に、古い十字架が目に入る。

「えっ、教会?」

 そんなもの、あったっけ?

ポカンと、裕太の口は開けっ放しだ。


「なぁ、おい!」

早速ジュンペイが、裕太を揺さぶる。

「行ってみようぜ!」

 本当に…何かあるのかなぁ?

すぐさまジュンペイが、目をキラキラと輝かせて、教会の

方へと駆け出す。

(えっ、大丈夫なのか?ワナかもしれないんだぞ?)

心配そうに、裕太はジュンペイの後ろ姿を見守っていた。


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