第319話 さぁて、お次は?
ジャックはものすごいスピードで、スルスル滑り降りて行く。
「ありゃあ、サルだな」
ジュンペイがヘラヘラと笑うと
(自分も、似たようなものだろ?)
裕太はひそかに、そう思う。
「もう、着いたかな?」
聞こえなかったフリをして、裕太も下を見下ろす。
トン!
地面に降り立つと、ジャックは裕太たちに向かって、手を大きく
振った。
「ねぇ、ちなみにどうやって、切り倒すの?」
まったくその辺のことを、考えていなかったことに、気が付く。
(あっ、そうだったなぁ)
これは、うかつだった。
ジャックに言われた時に、なんで2人とも、そのことに気が回ら
なかったのか?
(だけど、台所に戻るのは、危険だ)
しかたがない…と、ひとまず裕太は何かないかと、リュックの中を
のぞき込む。
リュックに入っていたのは、アーミーナイフだけだ。
ジュンペイのリュックには、光る石が1つ。
「石?」
なんで、石?
思わず裕太は、声を上げる。
「ね、その石…どうしたの?」
ボクは、石なんて、見ていない…と思う。
ジュンペイは、ヘヘヘと笑うと、
「そういえば、巨人の家で、見つけたんだった」
ケロッとした顔で言う。
「巨人の家?」
そうなのか…
裕太が見ていない部屋は、結構あったのだ。
「どうして、言ってくれないんだよ」
「だって、ただの石だろ?」
ジュンペイは、その石を手に取って、上に掲げる。
見たこともない石だ。
その辺で、転がっているものとは違う…
不思議な色をしている。
ブルー?
グリーン?
藍色?
いや、ねずみ色?
紫か?
様々な色に変化する石を見詰めていると、
「いいことを、思いついた!」
裕太は、声を張り上げた。
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