第314話 今度は犬?

「番犬って、いるのかなぁ?」

 不安そうに、裕太が聞くと

「さぁ?」

まったく何も考えていなかったのか、ジュンペイは能天気な

顔で笑う。

「ま、大丈夫さ!」

とりあえず、屋敷の外に出たせいか、ジャックも気が緩んで

いるようだ。

(本当に、大丈夫かぁ?)

裕太はおそるおそる、辺りを見回した。


 やはり飼い主が、巨人だからなのか、犬小屋も思いの外、

デカイ。

(ボクも余裕で、入れそうだなぁ)

以前公園にあった、おままごとの家のような大きさだ。

慎重に、中をのぞき込むと…

ひとまず、犬の姿は見えない。

(よかった!

 犬はもう、飼っていないのか?)

ホッとしていると…

何やら、こちらをうかがう気配を感じた。


 向こうの方で、犬の声が聞こえる。

「やっぱり、いるんだ」

振り向くと、ドドドドドド…

凄まじい足音と、大量の砂煙がこちらに向かって来る。

「えっ、なに?」

イヤな予感がして、目を見張ると

「あっ、たぶん、犬だろ?」

平然とした口調で、ジャックが言った。

 

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