第307話 それはまるでジェットコースター!

 置いてきぼりにされるのは、さすがに嫌なので…

思いきって裕太も、その穴をくぐり抜ける。

四つん這いになると、まるでワンコになったような気がする。

そして今度は…

真っ暗なトンネルが、裕太を待ちかまえていた。


 ゴンゴンゴンゴンゴンゴン…

さらに機械音が激しくなる。

なんだ?

上を見上げると、デッカイ管が上から繋がっている。

(何だかこれって、ミッションインポッシブルか、ダイ・ハード

 みたいだ!)

裕太はちょっと、ドキドキしてきた。

まるで映画の世界だな!

そうそう、ブルース・ウィルスって、ムチャばかりするんだよなぁ~

などと考えると、少し楽しくなってくる。

裕太も男の子だ。

すっかり、冒険魂に火が付いた。

「よし!」

 ようやく心を決めると、手を離して、その中に身体を躍らせる。

それは…でっかい滑り台のように、一気に下り始めた。

 うわぁ~!

いきなり加速して、ゴーッという音と共に、ジェットコースターのように、

一気に滑り降りて行く。

うねり、曲がり、カーブして、たまにグルンと天と地がひっくり返って…

胃の中が、よじれるような感じの上に、一気に真っ逆さまに!

銀色の管は、真っ暗な空間を通り抜けて行く。

ヒャァ~!

このまま、地面に叩きつけられるのではないか、と裕太は頭の隅で考えていた。

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