第284話 何でもござれ、万能の鍵?

 なんだ、そうだよなぁ~

ジュンペイの言葉に、納得したような、していないような?

今まで道案内をしてもらっていただけに、ジュンペイがここの

ことを、何でも知っている…

裕太はそう、思い込んでいた。

ジュンペイは勿体つけるように、

「さぁ!」

大きく手を振り上げると、突き当りの壁に、手を触れる。

(これから、何が始まるんだ?)

ワクワクして、裕太はジュンペイを見ている。

「それじゃあ、鍵を開けてくれ」

いきなり裕太をうながした。


へっ?

カギ?

「カギって、なに?」

裕太はポカンとする。

「何を言っているんだよ、あのカギだよ」

キョトンとする裕太の顔を見て、ジュンペイは大きな声で、

ケラケラと笑う。

「えっ?もしかして…あの鍵?」

裕太が知っているのは、1つだけだ。

そう、とジュンペイはうなづく。

「だから!さっき使った鍵だよ!」

ジュンペイは、呆れたような顔をした。

あぁ、なるほど。

確か、万能の鍵って、言ってたなぁ~

ようやく裕太は納得する。


 だけど、問題が1つ。

「でも、どこにさすの?」

見る限り、かぎ穴らしきものは、どこにも見当たらない。

だが、ジュンペイは慌てることなく、へへと笑う。

「その鍵は…刺すだけじゃあ、ないんだよね」

ニヤリと笑うと、

「いいから、見てろ」

自信満々の顏をして、目の前の壁をすぅっとなでた。

 何をしているんだ?

ジュンペイの奇妙な動きに、裕太は目を奪われる。

 すると、ジュンペイが触ったことに反応して、壁の形が

魔法のように、色を変え、グニャリと曲がり…

金色の扉が姿を現した。

「え~っ!」

一体、何をしたんだ?

びっくりする裕太をよそに、

「さぁ」

どうぞ、とばかりに、ジュンペイは裕太をうながした。

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