第277話 それでもデッカイ巨人の家

 こんな時…ファルコンがここにいたら、このだだっ広い部屋も、

あっという間に移動出来るのに…

裕太が今さらながら、残念に思う。

(それにしても、ファルコンもショーンも、どこに行ったのだろう?)

突然、フッといなくなってしまった2人のことが、裕太は気になっていた。

 そもそも何で、ジュンペイと2人、ここに取り残されているのだろう?

急に、そんなことまで考えだす。

(あっ、そうか。

 自分たちが、行きたいって言ったんだった)

それにしても、こんなに寄り道をするとは思わなかった。

なので、今さら贅沢は言えない。

とにかく自力で行くしかない。

ようやく裕太は、覚悟を決めた。


 裕太とは反対に、ジュンペイは1ミリの迷いもなく、

タタタタタ…

軽快に走って行く。

正直、羨ましいなぁ~

何の迷うことなく、自由にふるまうジュンペイを見て、裕太はそう思う。

(でも、疲れたりしないのだろうか?)

裕太はひたすら、スタスタとその後ろを追いかけて行く。

まるででっかい体育館を、動き回っているみたいだ…

 巨人の家って、とんでもなくデッカイんだなぁ~

ジュンペイの背中が、さらに走り抜けていき、あっという間に、

部屋の隅にまで、到達する。

「ここだよ、ここ!

 早く来いよぉ~」

無邪気な顔で、大きく手を振った。

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