第259話 再び、合流

「おいっ、何をしているんだ?

 さっさとしないと…巨人が帰って来るかもしれないぞ!」

 ふいに、ジャックに声をかけられる。

裕太はハッと、我に返る。

そうすると急に、この洗面所の奥に、チラリと見えている、

あの扉が気にかかる。

「ねぇ~あのドアって、何があるの?」

それはさっき、ジャックが立っていたところだ。

「あっ、あれ?」

ジャックはあちらの方を振り返る。

「あれは…トイレだよ」

ただのバカでかいトイレ。

目新しいものも、何にもないよ…

繰り返しそう言うので、裕太は少しガッカリする。


すると廊下の方で

「お~い、裕太ぁ~」

 今度は、ジュンペイの声がする。

「なに?」

ジャックが、裕太と目を見合わせる。

「何って、あれは…ボクの友達」

「へっ?」

(まだ、仲間がいたのかよぉ~)

ジャックが小さくつぶやくのが、聞こえた。

「お~い、ゆうたぁ~」

ニコニコしながら、ジュンペイが走って近付いて来る。

「あっ、滑るから気を付けて!」

モップの前で立ち止まり、ジュンペイの呼びかけに、

手を振ってそれにこたえた。



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