第247話 キミは、だれ?

「空耳?ジュンペイなわけ…ないかぁ」

 またも、モップを押す。

「ねぇってば、おい!」

コン!

何かを投げつけられた。

「痛い!」

後頭部に、何か小さなものが当たる。

「誰だよぉ~さっきから!

 ホント、乱暴だなぁ」

痛いだろ?

文句を言いつつ、クルリと振り返る。

もしかして…巨人がいるのかと、上を見上げる。

クスクスクス…

笑い声が、ドアのすき間から漏れて来る。

「おーい、どこを見てるんだよぉ~

 こっちだよ、こっち!」

「へっ?」


 まさか…幽霊か?

 それとも…ゴーレム?

 だけど、よく考えれば、ここにいるのが、自分と

ジュンペイだけのはずなのだが…?

(まさか…本当に、人間?)

視線を上から下に、ゆっくりと下ろして行くと…

そこには、裕太たちと同じくらいの大きさの男の子が、

そこに立っていた。

へへっ!

笑いながらも、その子が手を振る。

「キミ…だれ?」

まさか、自分以外の人間が、

しかも子供に出会うとは、思ってもいなかった。

洗面所の側の扉が開いていて、その隙間に立って、

こちらを見ているのだ。

「なんで、ここに?」

さっきは、まったく気が付かなかったのに…?

裕太はぽかんとした顔をして、その男の子を見つめた。

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