第232話 さぁ、探検だ!

 2人は意気揚々と、巨人の家に戻る。

やはり何度見ても、圧倒的にデカイ…

「これって、全部見て回るのに、どのくらいかかるかなぁ」

裕太がつぶやく。

「案外、そうでもないんじゃない?」

ジュンペイがあっさりと言う。

「よぉし、競争だ!」

ダッシュで走りだす。

 いつの間にか、マーサの姿が見えない。

巨人にとっては、この距離も大したことは、ないんだろうなぁ~

と裕太は思う。

そういえば…さっきかかえてもらった時は、ほんの2~3分だった

ような気がしていた。

それでも走ったら…思ったよりも早く着いた。

フワフワの雲のクッションを跳ねているような、そんな感じがする。

「よぉし、中に入るぞぉ」

玄関では、ジュンペイが待っていた。


「ねぇ、勝手口から入らないの?」

 さっきマーサが入った、裏口の方が近いだろうに…

(たぶん、鍵がかかっていないはず)

それなのにジュンペイは、頭を振り

「いや、そっちじゃないよ」

妙なことを言う。

一体、何を考えているんだ?

「どうして?」

ジュンペイを見ると…キョロキョロしながら、玄関の段をトントンと

上がる。

「だって…2階に行くには、玄関の方が近いだろ」

当然という顔をした。

(それだけ?)

「それにさぁ~あのマーサだって、巨人とグルかもしれないじゃないかぁ」

いきなりジュンペイが、おかしなことを言う。

「えっ、まだ疑っているの?」

「そりゃあ、そうだろ?」

あんなに…マーサに甘えていたのに?

裕太は目をパチクリとさせた。

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