第231話 さぁ~お屋敷探検だ!

 キラキラ光るカゴの中身を見て、

「これが金の延べ棒ならなぁ~」

思わずジュンペイがボヤく。

「お前~ロマンもヘッタクレもないなぁ」

裕太は呆れたように言う。

「ありがとう」

裕太が前、ジュンペイが後ろで、2人でえっちらおっちら

運ぶと…

マーサが指先で、ヒョイとつまんだ。

「ご苦労様!

 ご飯が出来るまで…好きに歩いていていいわよ」

早速解放される。

「やったぁ~」

ジュンペイは嬉しそうに、万歳をした。


 裕太はまさか、と思う。

「え~っ、またどこかに行くのぉ?」

ちょっとは、休憩しようよぉ。

元気だなぁ~

さすがに裕太は、はぁ~とため息をつく。

 正直裕太は疲れているのに、ジュンペイは平気なの?

と唖然となる。

「当たり前だろ?」

何しろお屋敷の探検が、お預け状態だったのだ。

「せっかくだし、見て回ろうぜ!」

ニッと笑った。

 マーサが卵を持って、屋敷に戻って行くのを見送ると…

「とりあえず、どっちへ行こうか?」

裕太はうーんと考える。

選択肢としては、このまま鶏小屋の周辺を見て回るか、

それとも屋敷に戻って、まだ見ていない家の中を探索して

回るか…なのだが。

「そうだなぁ~やっぱり家の中をやっつけようぜ!」

何しろ、これだけデッカイと、何かあるかもだろ?

ジュンペイは、鼻の穴を膨らませた。


 そうだなぁ~

巨人がいつ帰ってくるか、わからないし…

今のうちに、見て回ろう。

裕太もジュンペイの言うことに、うなづいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る