第205話 いよいよ、敵の本丸へ?

「ひゃあ~でっかいなぁ」

 裕太の後ろで、ジュンペイが声を裏返らせて、騒いでいる。

石というよりも、大きな岩のレンガを積み上げた、見上げるくらい

大きな建物が…眼前に迫っていた。

「さ。降りよう」

トン、とジュンペイが、裕太の背中を押す。

「あっ?あぁ」

ようやく裕太もうなづくと、スルリとファルコンの背から、滑り

下りた。


 雲の上?

まさかツルを上ったら、こんなに立派な建物が立っているとは…

思いも寄らない裕太だ。

「どうやって、こんなトコに、建てたんだ?」

ただただ圧倒されて、繰り返し言う。

「そんなの…巨人だから、チョチョイノチョイ、なんじゃないの?」

石ころを積み上げるみたいにさぁ~

会ったことも、見たこともないのに、まるで目撃したことがあるかの

ように、ジュンペイはさらりと言う。

「そうなのかなぁ~」

何となく納得できない。

 まだ、巨人がいるなんて、想像できない裕太なのだけれど…

「こんなでっかい家は、巨人以外に、住むわけがないだろ?

 しかも雲の上だぜ?」

 やけに自信満々に、ジュンペイが言う。

やっぱりそうなのかなぁ?

裕太はポカンと、その大きな館を見上げた。 

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