第198話 目指せ、巨人のお宝!

 ジャックと豆の木のお話を、ご存知だろうか?

あの話では、えんどうのツルを上ったジャックが、巨人の家に

忍び込んで、そのお宝を3回も(!)盗んで逃げる…

というストーリーだったはずだ。

 ということは?

そこまで考えると裕太が、

「ねぇ、巨人の家って、どこ?」

思わずジュンペイに聞く。

だがソッポを向いて、

「さぁね!」とあさっての方を向く。

そもそもそんなことには、興味がないらしい…

裕太はわざと、ジュンペイの気を引くように、

「だが、そこには…お宝があるはずだ」

何気ない素振りで、ポロッと言う。

「え~っ、なんだよ、それ!

 行ってみようよ、巨人の家!」

まんまと、裕太の策にはまる。

面白そうじゃないかぁ~

急にジュンペイが、色めきだった。


(なんだよぉ~現金なヤツ!)

 裕太は呆れるけれども、ジュンペイはそんなこと、まったく

おかまいなしだ。

「やったぁ~ついに、お宝だぁ~」

万歳!

すっかり見つけた気になって、1人で機嫌よく、ニヤニヤしている。

「もしも見つけたら、山分けな!

 5,5?

 それとも、6,4?」

「おいおい~」

(こいつってば!ホントに…

 金のことしか、考えていないんじゃないか?)

喜ぶジュンペイを見て、ついそう思ってしまう。

 だけど、ここまで来たら…

せっかくだし、てっぺんを目指したいな!

裕太もつい、思ってしまう。

だって裕太も…宝探しは、大好きな元気な男の子なのだ!

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