第195話 ショーンの秘密
突然のショーンの告白に、子供たちは唖然とする。
「はぁ?」
鳥なのに?
翼があるのに?
「何を言ってるの?」
飛んでただろ?
思いっきりジュンペイが、バカにしたように叫ぶ。
「嘘が下手だなぁ」
「もう少しマシな言い訳、考えられないの?」
かわるがわるに、石のつぶてをぶつけられたように、ショーンは
顔をゆがめる。
「ウソなんかじゃない」
小さくつぶやく。
「はっ?」
「だから…木登りが苦手だ、と言っているんだ」
「はぁっ?」
「へっ?」
裕太とジュンペイの声が重なる。
「お前たち、本当にいいコンビだなぁ」
ショーンは笑いながら、ごまかすように言う。
「じゃあ、ま、そういうことで!」
がんばって、とショーンは軽く手をあげる。
あっ、逃げる気だ!
裕太はすぐに気が付くと、
「じゃあ、ファルコンは?」
あわててショーンの背中に声をかける。
「あぁ」
ショーンは振り向くと、
「ファルコンも同じだ。
我々は先に上って、待っているよ」
そう言うと、体を少しかがめて、ファルコンに何やら
ささやく。
そうして風向きを確かめると、バサッと大きく翼を広げた。
なんだよぉ。
せっかく一緒にいるのに、ついて来ないのかぁ?
裕太がブスッとしていると、ショーンの翼が光を受けて、
キラリと輝く。
いつ見ても、美しい翼だ。
白鳥?
天翔けるペガサス?
何の翼なんだろうなぁ?
ファルコンも、グルグルと長い尾をうねらせると、ショーンの
後に続いた。
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