第192話 不思議な扉…
えっ?
裕太は奇妙に思う。
これって、偶然なのか?
(もしかして…行きたいところを言うと、そこへ繋がる扉が、
現れる…ということなのかなぁ?)
偶然にしては、あまりに出来過ぎだ、と気付いたのだ。
だがジュンペイは、無邪気に喜び
「あっ、ドアだ!
裕太、カギだよ、か、ぎ!」
はしゃいだ声を上げる。
ファルコンは、ドアすれすれまで、その場に停止して、
様子を見ている。
スルスルスル…
裕太はファルコンの身体から滑り降りると、ゆっくりとその扉に
近付いた。
このドアは、さっきのとは違って、何か植物のような、緑色を
している。
「あれ?
鍵穴はどこ?」
手をすべらせて、探すけれど…
そもそも存在するのかさえ、わからない。
困っていると、ショーンがフワリと傍らに降りると、
「そこのタッチパネルに、あててみて」
チラリと見て言う。
「タッチパネル?」
そんなしゃれたものが、あるのか?
そう思っていると…小さな画面が、ポンと目の前に現れた。
(あれっ?)
気が付かなかった…
「ほらぁ!」
訳知り顔をして、ジュンペイもうながす。
「わかったよぉ」
ポケットから、カギを取り出す。
何だか形が、変わったような気がした。
(急に、ハイテク!)
妙に感心して、カギを近づける。
どこに当てればいいんだ?
ツルツルとした、緑の表面だ。
四角い所に押し当てると、今度はその扉が急に動き始めた。
「え~っ?」
にょきにょきと、上に横に伸び始め…
それが、でっかいツルへと変化した。
「え~っ、ドアじゃないの?」
思わず裕太が、声をもらすと
「気をつけろよ、何か、いる!」
ショーンがあわてて、2人の身体を引き寄せると、
「しぃっ!」
鋭い声で、緑の植物の影に、押し当てた。
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