第175話 今度はボクのターン
「それじゃあ、今度はあなたね!」
そう言うと、サキアさんは再び、カードを繰る。
手際よく山を作った後
「あなたは…とても運のいい子ね!」
1枚めくるごとに、サキアさんが言う。
「そうかなぁ」
裕太は頭をかしげる。
その割りに…ドクターバードに、つかまったけど?
そう裕太が思っていると
「あなたはね、太陽のような子だわ。
人を惹きつける力があるわねぇ」
そう言うと、1枚のカードを裏返した。
「ほらね!」
やっぱりと言いながら、その1枚を軽く上に掲げる。
大きな翼を持つ、鳥の姿が描かれていた。
「ボク…羽根なんて、ないよ…」
やっぱりこれは、ただの占いじゃないか。
ま、こんなものさ、と目をそらす。
「あなたには、可能性がある。
ジュンペイくんは、勇者。
剣で道を切り開く人。
あなたは、平和の象徴。
鳥はどこまでも…自由に、羽ばたくことが出来るわ」
そう言うと、そのカードを裕太に手渡した。
これ…
裕太はおそるおそる、手の中のカードに、目を落とす。
「きっとこのカードが、あなたたちを守ってくれるわ」
そう言うと…ふっとサキアさんが、裕太の足元に目をやった。
「あらっ!何か、光っているわねぇ」
いきなりそう言う。
「へっ?」
「なに?」
裕太は驚いて、その視線の先を追う。
「あれ、ホタルでも入った?
それとも、懐中電灯のスィッチ、入れちゃった?」
無邪気な声で、ジュンペイがはやし立てた。
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