第157話 トオ攻略の作戦会議だ!

「まずは、それよりも…

 どうやって、あのトオに渡るかだぁ」

 ジュンペイは腰に手をあてて、向こう岸を見る。

相変わらずサキアさんが、こちらを見て立っている。

「そうだったなぁ~」

 あらためて見るけれど、やっぱりそう簡単には、渡れそうにない。

ミナトは、リュックを見下ろして考え込む。

「これを使うにしても…

 何か他に、使えるものが、あるかなぁ」

うーん…

ジュンペイも、じぃっと並べたものを見比べた。

 

 確かにそうだ…

「花火は合図に使うか、連絡用に使えるなぁ」

「SOSとか?」

「着いた合図!」

「助けを求める!」

「じゃあ、ロープは?」

「おお!」

「ロープ!」

「投げる?」

「先に石でもつけて?」

「サキアさんに、受け取ってもらうとか?」

「いいねぇ」

裕太たちを置いてきぼりにして、すっかりミナトたちが、

あぁでもない、こうでもないと盛り上がっている。

「武器はあるよな?」

「で?」

「でって?」

「だからぁ」

「どうする?」

人をダシにして、楽しんでいるようにも見える…

『大人って、勝手だよな』

プンとした顔で、ジュンペイが言う。

『そう言うなよ』

『ねぇ、それよりもさぁ』

『なに?』

『ちょっと…考えていることがあるんだけど…』

こそこそと、裕太にささやく。

そうして、じわじわとミナトたちから、遠ざかる。

『なに?』

ヘヘヘ…

ジュンペイは、何かいいことを思い付いたようで、いたずらっぽい

目で笑った。

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