第155話 ここは、不思議な洞窟…
「ここはね、そういうことは、よくあることなのよ」
突如として現れたリュックを見ても、ミアは淡々としている。
(そういうものなのか?)
「たまに…どこから来たのか、わからない人が現れたり…
いなくなったりするのよ」
慣れた口調でそう言うので
「そうそう」
ミナトたちもうなづく。
「えっ、そうなの?」
「そう!」
何だかスッキリしないけれど…
それはこの人も同様なようだ。
「え~っ、なんで?」
ひときわ大きな声で、ジュンペイが叫んだ。
「ちょっとぉ~ファルコンが驚くだろ」
一応裕太が突っつく。
だけど…待てよ。
(それって、ボクたちと同じだ!)
ふいに裕太が気が付いた。
「そうそう…」
いきなり思い出したように、ミアが口を開く。
「最近、見慣れない人が、現れたと聞いたわ」
唐突に、眉をしかめる。
「そうそう」
「トオの方で消えた、とも聞いたぞ」
「いや、研究施設の方かな」
さすがに、正体不明な人が入り込むのは、気になるようだ。
「そうなの?」
思わず裕太が、大きな声を出す。
(それって、ボクたちと同じ時期か?)
まさか自分たちだけでなく、他の人も流されてきたのか…
と、裕太は気になっていた。
「それよりも!」
退屈そうに、ジュンペイが割り込む。
「それはそうと、そのリュックの中…何が入っているの?」
催促するように、裕太に言う。
「あっ、そうだった!」
言われるまで、すっかり忘れていたなぁ~
裕太はリュックのファスナーを開けた。
思ったよりもズシッと思い。
何かギッシリと詰まっているようだ。
みんなの視線を感じて、リュックを手元に下ろすと、
中身を取り出す。
ロケット花火が数本。
ねずみ花火
線香花火
パチンコ
ビー玉、
太いロープが一本。
懐中電灯に、アーミーナイフ。
そして、チャッカマンだ。
(どうも、ライターは見つからなかったのかなぁ)
1つずつ、目の前に広げていると…
「なんだよぉ~
食べ物は何にも、入っていないじゃないかぁ」
ジュンペイが「ちぇっ」と口をとがらせた。
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