第153話 それは夢か、幻か?

「あっ、それ!」

 裕太とジュンペイは、互いに持っている物を見つめる。

「なんだ、どうした?」

ミナトがのぞき込む。

「あれ?それは、なんだ?」

「どこで、もらったんだ?」

互いの持ち物を見比べる。

なになに?

どうした、とミナトたちも、ジュンペイのリュックの中を、

のぞき込む。

「なんだ、それ」

見慣れない…ガチョウのような、大きな卵。

「なんで、それを?」

「知らない!」

どうするんだ、と見下ろす。

「でも、それって…どうやって、使うの?}

一同は、大きな卵をじぃっと見つめる。

「どうやってって…」

知るワケが、ないだろ?

しばらくじぃっと見つめると、ジュンペイはひょぃっと

手に取り、おもむろにかまえる。

「おい、何をするつもりだ!」

裕太の声にかぶせるように、

「ピッチャー、かまえました」

ジュンペイがそう言うと、腕を差し上げ、勢いよく壁に

向かって振り上げる。

「えっ、おい、ちょっとジュンペイ!

 おまえ、気はたしかか?」

裕太が叫ぶ。


「あ~っ!」

「割れるぅ~!」

 裕太とミアの悲鳴が重なる。

パン!

固い岩盤に叩きつけられると、卵には大きなヒビが入り、パカンと

開いた。

「あっ!」

「あれ~」

異口同音に、声が広がる。

そして中から…ポワンと竜の姿が現れた。

「え~っ!どうして?」

「それって、ポケモン?」

裕太は口をポカンと開けて、その竜を見つめた。

まるで、魔法みたいだ…

タネは?

仕掛けは?

いつ、そんなわざ、覚えた?

 その竜は、ジワジワと形を成して、アニメのように、

大きくなっていった。

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