第136話 一体、どこへ?

「もしかして…あそこまで行くの?」

 結構遠いなぁ~と、トオの方を見ている。

「えっ、そんなわけ、ないでしょ?」

楽しそうにキヨラさんが、クスクスと笑う。

(巫女さんも…笑うんだなあ)

笑うととたんに、子供っぽくなる。

おそらくはこれが、彼女の本来の姿なんだ…

裕太はそう思う。

 するとまたいきなり、

「当たり前でしょ?

 私だって、おかしければ笑うわよ」

またも心を読まれてしまい、裕太は顔をこわばらせる。

「厄介だなあ」

思わずつぶやいた。


「さぁ、ここからは、次の人にバトンタッチね!」

嬉しそうに、キヨラさんは言う。

まさか…ボクたちと一緒にいるのが、嫌なんだ…

ちょっと複雑な気分だ。

「えっ、 そうなの?」

 てっきり、最後まで付き合ってくれる、と思っていたのか、

ジュンペイは不満そうに言う。

「そうよ!私の役割は、ここまでのガイドだけ」

キヨラさんは、チラリとミナトを振り返る。

なぜかミナトは、顔を赤らめると

「わかりました」とうなづく。


「えぇっ」

 今度はどこへ、連れて行かれるのだろう?

裕太はまたも、緊張で顔を引きつらせた。

するとキヨラさんは、ニコリと微笑み

「怖がらなくて、大丈夫よ。

 古い…トンネルみたいな所よ」と言う。

(知っているのなら、連れて行ってくれたらいいのに…)

まだ不満そうにしているジュンペイに、

「だけどその前に…あなたたちに見せたい所があるわ」と言うと

「いいですよね?」

ミナトに、確認するように話しかけた。

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