第135話 ボクたちの進むべき道は?
すぐにわかる…と言われたけれど、それをうのみにするほど、
バカではない。
何か、ヒントはないか?
キョロキョロしていると、トオの向こう側で、何かがキラリと
光っているのが見えた。
「あっ、あれはなに?」
キヨラが答える前に、ジュンペイがそちらを見る。
「ほら…あのトオの向こう側!」
「なに?」
「ほら!何かキラッと光ってる!」
ジュンペイがもどかしそうに、答える。
風車?
時計台?
それにしては、かなりどデカイ。
ガラスの何か?
それって、なんだ?
そう思って、さらによく見ようと目をすがめると…
「あぁ、あれ?
あれは…何かの施設みたいね」
キヨラさんはそう言うと、まっすぐに指で差し示した。
遥か向こうに、マッチ箱のような建物が、確かに見える。
あれは、街の方角か?
まさか…他にも、研究施設でもあるのか?
それとも、公的機関?
まさか、軍事施設か?
いや、病院?
教育施設?
裕太はもっとよく見ようと、目を大きく見開く。
「ドクターバードの施設は、どっちの方かなぁ?」
「あっち?」
裕太とジュンペイは、しばし辺りを見ている。
何しろほとんど、地下に潜っていたから、方向感覚がおかしい。
おそらくは、反対方向に位置しているような気がする。
その辺は、さすがにキヨラさんにも、はっきりとは
わからないようだ。
「何の施設だろう?」
「さぁ?」
ミナトも、よくは知らないようだ…
ガケから見下ろすと、ここは岩がゴロゴロとした場所のようだ。
自分たちがいた海岸は、どの辺りになるのか?
だが、ここから見る限り…水の気配は、まったく感じられない。
(水たまりでさえ、ないなぁ)
一体、どの辺りになるのだろう?
それとも…まさか、自分は重大な勘違いをしているのかもしれない…
そう裕太は考えていた。
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