第127話 マイペースな男!その名はジュンペイ
「あら」
キヨラさんは、気を悪くするどころか、クスクスとおかしそうに
笑う。
「あなたって…ずいぶんユニークな子ね!」
どうやら気に入ったらしい。
なんで、と思うけれども…
「そうかなぁ?」
得意気にジュンペイは、胸を張る。
『おい、調子に乗り過ぎだぞ』
裕太が小声で突っつくと、チラリ…とスズカさんの方を見た。
キヨラさんの手前…さすがに口は挟まないけれども、ものすごい
目付きで、2人を見ている。
(ヤバイ)
そう感じた裕太。
仕方がない、ジュンペイの代わりにと、腹をくくって、一歩前に
出た。
「ごめんなさい!
ボクたち、ここに来たのは初めてなんです。
何が何だか、よくわからなくて…
どうすればいいのか、教えて下さい」
素直に頭を下げた。
《ジュンペイも、頭を下げろ》
そうささやくと、
「なんで?」
のん気な顔で聞くので、やむなく裕太は、ジュンペイの頭を
無理やり手で押した。
「ちょっ、何をするんだよぉ」
さすがのジュンペイも、ムッとして、裕太の手を払いのける。
「いいのよ、大丈夫よ」
キヨラはそう言うと、鷹揚に微笑む。
「あなたたちのこと、大体は聞いています。
よその世界から、来たんですって?
詳しく聞きたいけど、それはやめておくわ」
そう言いながらも、チラリと裕太たちの顏を眺める。
「実はね、ここには時折…この世界の者ではない人が、たまに
紛れ込んでくるのよ。
だから…普段は、外部の人を入れないようにしているのよ」
まっすぐに、裕太たちに視線を向ける。
光りに照らされてみると…彼女の瞳の色が、緑色に染まって
いるように見える。
「あっ」
思わず裕太が声をもらすと、
「気が付いた?」
フフフと彼女は、笑った。
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