第113話 手がかりを探せ!

「だから…その手がかりを探しに行くのよ!」

 サキアが裕太たちに、キッパリと言う。

「助っ人を呼んだわ。

 きっと、あなたたちの力になってくれるはずよ」

いつの間に、そんな手はずになっていたのか…

驚いた顔で、裕太はサキアの顔を見る。

何よ、という顔をすると、サキアはふふふと笑う。

「そんなに驚かなくても! 

 ミナトたちに、昨日のうちに頼んだのよ」

そう言って、傍らに立つ若者たちを見る。

「そう、今日は君たちのガイドとして、雇われたんだ」

ニヤリと笑って、この若いリーダーは仲間たちと目を

見合わせた。

「やっと、君たちの役に立てそうだよ」

ミナトは嬉しそうな顔をする。

「そんな…昨日も助けてもらったし」

 長い1日だった、と裕太は思い出す。

「いや」

ミナトはリンとした声で、裕太を見ると

「それは人として、当然のことをしたまでだ」

キッパリとそう言い、にこやかに微笑む。

「それじゃあ、頼んだわよ」

サキアはミナトに向かって、目で合図する。

「この子たちのこと、よろしくね」

「生意気言ったら、ガツンと叱ればいいのよ」

マリさんも、ミナトに向かって、頭を下げた。

「もう、マリさんまで~」

ジュンペイが、悲鳴のような声を上げる。

「おまかせください」

大げさに、ポンと胸をたたいてみせると、何だか照れたように

笑った。


「なんだか、頼りないなぁ」

 ジュンペイがケラケラ笑う。

年上のお兄さんみたいだ。

「そう言うなよ、これでも…この地下には、結構詳しいんだから」

エッヘンと、ちょっと威張ったように、ミナトはピシッと

姿勢を正した。

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