第108話 戦士たちの休息…
まさか、この人は…女戦士?
アマゾネス?
それとも、自警団のリーダーか?
(確かマリさんは、強いと聞いたことがあるけれど…)
ジュンペイは不思議に思う。
考えてみれば、前を見通す力は、ハンパない。
超能力なのか、テレパシーなのか?
マリさんにかかると、開かない鍵もない…
あらためて、不思議に思う。
じぃっと見つめる子供たちに気付く。
「私はそんな…すごい力なんて、ないわ」
興味津々の4つの瞳にたじろぎ、マリさんは少し、
恥ずかしそうにする。
「何を言うのよぉ。
私の占いは、マリさん直伝なのに」
サキアがポン、とマリさんの肩をたたいた。
「まぁ、若者たちのようにはいかないけれど…
協力者とでも、言うのかしらねぇ」
やっぱりマリさんも、普通の人ではないようだ。
シュンシュンと、お湯が沸騰する音がする。
「あっ、いけない!
夢中になって、すっかり忘れてた!」
いつの間にか、話に夢中で、手がお留守になっていた。
あわててマリさんは、カップを取り出す。
「もう遅いから、お茶にするわよ」
なみなみと、お湯を注ぐ。
このお茶に、何か成分があったのか…急に睡魔に
襲われた。
おそらく疲れが出て来たのだろう。
この夜は、小さな居間に、ほとんど雑魚寝状態で、布団を
敷き詰める。
「まるで、修学旅行みたいだ!」
ジュンペイが嬉しそうに、枕を抱き締める。
だが裕太に至っては、お風呂にも入らずに、まるで気絶する
ようにして、マットに横たわる。
「ね、裕太!裕太ってば!」
ケラケラ笑いながら、枕をぶつけるけれど…
深い眠りに落ちている。
「こら!起こしたら、ダメでしょ!」
サキアが軽く、こぶしを握り締めると、グリグリ…とジュンペイ
の頭におみまいした。
「あ~、DVだぁ」
「違うよ、しつけだ!」
2人がじゃれ合うようにしているのを…マリさんは、ニコニコ
しながら見ている。
だが裕太は…まったくまぶたを開けられなかった。
その夜…裕太はフシギな夢を見ていた。
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