第98話 地下の巨大な蟻塚潜入?

「迷ったりしないの?」

 裕太たちから見たら、どこも同じに感じてしまう…

「大丈夫よ!

 私たちはここで、生活してるんだから」

にこやかに、マリさんが答えると

「こう見えて、住めば都よ!

 慣れてみたら、地下の暮らしも、結構快適よ!」

ミアが裕太に向かって、ニッコリと笑いかけた。


 地下の通路には、静脈のように、細い道がたくさん走っている。

ここから地上の色んな場所に、繋がっているのだ。

慣れた人でないと、大人でも迷子になってしまうほどだ。

そのため…特殊な塗料で、目印がついているのだ。

ミナト特製のライトで、壁を照らし出す。

すると…そこからその印が、光を放つ仕組みになっているのだ。

 結局はみんなでゾロゾロと、歩き始める。

「なんだか、変な感じねぇ~」

「遠足みたい!」

「歩け歩け遠足?」

ワイワイ言い合いながら、みんなで地下の通路を歩いて行く。

「ここって…どのくらいの人が、住んでいるの?」

 まるでモグラかアリの巣のように…

細い通路が、何本も走っている。

その突き当りに、控えめにフタのようなドアが、取り付けられている。

表札の代わりに、思い思いのデザインの石が、置いてあるのだ。

ボゥッと光を放つ、様々な石…

「ねぇ、迷ったりはしないの?」

裕太としては、何だか自分がこんな所に住むなんて…想像も出来ない。

それは普通の家の形はしていなくて、カプセルのような、穴倉のような家が

アリ塚のように、点々と存在しているのだから…

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