第97話 地下の街に潜入!

「よかったら、うちに来ない?」

 ニコニコとマリさんが、裕太とジュンペイに声をかける。

「そうだな!」

「そうしたら?」

タケシもミアもうなづく。

「そうしてもらえ」

ミナトがポンと、裕太の頭に手を置いた。

「よかったら、みんなもどうぞ!」

 マリさんの提案に、すぐさまタケシが嬉しそうに顔をゆるめ、

「いいんですかぁ?よろこんで!」

大きな体をユサユサ揺らして、嬉しそうに手をたたいた。

「あっ、おまえ~自分が、腹が減ったからだろう?」

すかさずミナトが、タケシの背中をドンと小突く。

「あっ、バレたかぁ~」

タケシは豪快に、お腹を揺らして笑った。

「サキア、あなたもいらっしゃいよ」

 背中を向けて、帰り支度をする彼女に、マリさんが

声をかける。

「えっ、いいの?」

「もちろん」

ためらう顔をする彼女に、

「行こうよ」

ジュンペイが、彼女の手を引っ張った。


 マリさんが先頭に立って、ゾロゾロと地下の通路を再び

歩き始める。

ミナトたちの持つ、奇妙なライトは、決して消えることもなく、

オレンジの光で辺りを照らし出している。

(これって、ステッキみたい)

裕太が珍しそうに、見ていると

「これね、便利でしょ?

 ここはね、1日中灯りが必要なのよ」

マリさんが、にこやかにそう言った。


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