第66話 あなたはだれ?天の使い?

 ジュンペイはハッとして、マリさんの方を見ると…

彼女は悪びれもしない様子で、

「この子の友達を、探しに来たのよ」

ためらいもなく、そう言う。

「ふぅーん、そうか」

檻の中のとらわれ人は、じぃっとジュンペイを見ると、

瞳が金色にキラリと光る。

(まるで…猫のような目だ)

思わず見とれるジュンペイだ。

だが、それを気にする様子もなく、

「あぁ、そうかぁ~あの子かぁ~」

まるで、知っているような口ぶりで、2人を見る。

「もしかして…知っているの?」

思わずジュンペイが、身を乗り出す。

その人はじぃっと、金色に光る瞳を向けて、彼を見ると

「早く行った方がいい。

 間に合わなくなるかもしれない」

ためすような目付きで、不穏なことを言う。


(間に合わない?)

 何のことだ…と思う。

するとその人は、身体の向きを変えると、バサッと翼の

音がする。

闇に隠れて、目に入らなかったけれど、背中には純白の

白鳥のような翼が、大きく広がる。

(えっ、なに?この人…)

思わずジュンペイは、顔を引きつらせた。


 この人…人間じゃぁないの?

あらためて険しい顔になる。

そうして、天井をチラリと見ると、

「キミたちも、気を付けた方がいい。

 あの男…何をするのか、わからないからな!」

声を落としてそう言う。

「見つかったら…あの男の実験台になるかもしれないぞ!」

早口でそう言うと、バサバサッと翼を広げた。

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